Last Oath
「朝!!!!だぞーーーーーーーーーーーーーい!!!!!!!!」
朝からに、蹴り起こされた。
僕としたことが、朝方眠ってしまったらしい。
でも何事もなかったようでよかった。
「冒険するぞーーーーーー!!!」
「・・・・・。」
「おい。オーって言え。」
「おー・・・。」
は一人だけ馬に乗ると、その上に仁王立ちした。(どっかの虎の大将のようだ)
ぐっすり寝たようで、上機嫌らしい。
「歌いまーす!」
「わーパチパチー。(棒読み)」
「何の歌がいー?」
「が好きなの歌いなよ。」
「んーでも歌詞載せたら著作権法にひっかかるんだよー。」
「意味わかんない。」
他愛もない会話を繰り返しながら、二人は行く宛てもなく先に進む。
「駆け落ち?」
半兵衛の持っていた湯飲みは、ガシャンと音を立てて床に落下した。
「いやーあいつら仲よさそうだったし・・・、オレが考えた結果・・・」
「君の足りない頭じゃそうなるだろうね。」
「え、どの発言に怒ったんスか?;;;」
「今すぐその生意気な口を閉じたまえ!!!!」
「え、す、すんません。」
何なんだこの人は。
何に怒ったんだ。
半兵衛はチッ・・と不機嫌そうに舌打ちしたあと、「これだから馬鹿は・・・」なんて呟いた。
「久作は極度の方向音痴でね。今でもたまに城の中で迷ってるんだよ。もう人生の迷子さ。」
フッと嘲笑を浮かべる半兵衛。
久作が聞いたら間違いなく号泣するだろう。
「も馬鹿だから二人で森の中ででも迷ってるんだよ。」
「なるほど・・・。」
「探してきてくれたまえ。って官兵衛に言ってきて。」
「うぃっス。」
赤丸は部屋から頭を出し、大声で叫んだ。
「官兵衛――!!!!仕事だぞ――!!!と久作探してこいってさァ!!!!」
「あ。あと羊羹買ってくるように言って。」
「あと羊羹買ってこいってさァ!!!!!」
「水羊羹買ってきたら殺す。」
「水羊羹買ってきたら首飛ぶってさー!!!!!」
その直後「ちくしょーーー!!!!!」という叫び声と共に、馬の駆ける音が遠ざかっていった。
「見つかりますかねぇ。」
「そう遠くには行ってないはずだよ。あの二人はもう異国にでも来てしまったんじゃないかと思ってるだろうけどね。」
「・・・・・。」
「くもーがかったようなーここーろーにー♪だーれもーがーどくーさーれーてはー♪やんーでーくー♪」
「・・・・。」
「だれーひーとーりそーのじじーつーにーむーきあーうーことーもーしーないー♪」
「・・・!」
「せーかーいなーらー♪」
「かんべ「なーにーもーかもーすーべてーのもーのがー♪」
「っ、官兵衛どのが「くーさーりーきってしーまーうまーえーにー♪」
馬の上で熱唱しているは、久作の声など聞こえていない。
「久作殿!お迎えにあがりました。」
その声にも気づいたのか、一旦歌を中断して振り返った。
「・・・・君を迎えに来たわけではなく私は「WOW〜!!!うごきだーすそーらーたちーこめーたーくもをーきりーさーいてー♪」
「き、聞け!!;;」
「ちょっとまって。WOW〜!!!どこまでーでもーふーきぬーけるーかーぜとーなってゆーくーからー♪何?」
歌最優先かコイツ。
官兵衛はキッとを睨んだあと、「こちらです、久作殿」と笑顔を久作に向ける。
「・・・・きゅーちゃーん。」
「あ、もおいで。」
「・・・・(ムッ)」
「睨むなボゲェー。」
「別に睨んだ覚えはない。」
「じゃあいいや。」
その言葉に、官兵衛は呆気に取られた。
「(この少女は調子が狂うから嫌だ・・・)」
「キューちゃんの馬に乗っていいよ。」
「あ、ありがとう。」
「(大体あの馬は久作殿の馬だろ!!)」
沸々とへの不満が募る。
そんなこと知る由もないは、ヘラヘラと楽しそうに久作と笑いあっている。
「(大体半兵衛殿のことも呼び捨てにするし、秀吉様にもあのような呼び名をつけて・・!!!)」
「官ちゃんあんた目つき悪いな。」
「う、うるさい!」
「怒られちゃったよ久作ちゃん。」
「そのようだねちゃん。」
顔を顰めると、に「変な顔。」と言われた。ムカつく。
「まだ旅したいよー。」
「ほぉ、それはいい。一人でしてきてください。」
「・・・・・なんでそんなこと言うん。」
「なんでって・・・・・。」
しょんぼりしたに、官兵衛は言葉を詰まらせた。
「、別に官兵衛殿はそういうつもりで言ったんじゃないよ。ね、官兵衛殿?」
「・・・・・え。(すいませんそういうつもりで言いました。)」
「・・・・・・・だって一人で行けとか言う・・。」
「それはあれだよ。一人旅もたまにはいいよって。ね、官兵衛殿?」
「・・・・・・え。(すいませんどっか行けって事でした。)」
だから許してあげてね、という純粋な久作が眩しい。
「さ、兄上も心配してる。早く帰ろう。」
「・・・うん。」
「・・・・。」
ふんわりとした久作の雰囲気に、と官兵衛の口論は収まったが、城まで気まずい沈黙が続いた。
「おかえり。」
「半兵衛!!」
「兄上!!」
「、久作、ここに座りたまえ。」
「「Σ・・・!」」
「朝帰りなんてどういうことかな?ん?言ってごらん?」
「「・・・(こ、怖い・・!!)」」
目が笑っていない半兵衛に、と久作はゴクリと唾を飲んだ。
「み、道がわからなくて「あぁ言わなくていいよ。そんなことわかってるよ。あはは馬鹿かい君は。」
ウフフもう久作ったら、と半兵衛は真っ黒な笑みを浮かべる。
ああなんだか半兵衛の影が悪魔に見えてきた。
「昨日の夜はどうしたんだい?」
「の、野宿を・・・・。」
「ふぅん。よかったねぇ山賊に襲われなくて。久作は武器も城に置いたままで大丈夫だと思ったのかなぁ?随分強くなったようだね、今度手合わせしようか?」
「いいいいいえまだまだ兄上の足元にも及びませんからご遠慮させて頂きます・・・!(ビクビク)」
「何当然なこと言ってるんだい。足元どころか地面の下だね。」
「ひぃっ・・・!!!!」
相当怒っている。
いつも自分に優しい兄がこんなにも怒っている。
「もももももも申し訳ございません兄上えぇぇえお許しくだされぇえええ!!!」
「何を泣いているんだい久作?僕は別に怒ってなんかいないよ?で、はどこにいこうとしてるのかな?」
「ひっ!?」
そろー・・とさり気無く逃げ出そうとしていたの首根っこを半兵衛が掴む。
「僕は夕方までに仕事を必死で終わらせたんだけどね?なんでかわかるかい?」
「う、嬉しいなwあへw(ビクビク)」
「うーん、質問の答えになっていないようだね?君の頭には難しい質問だったかなぁ?」
「む、むずかしいねw(ビクビク)」
「じゃあもうちょーっと簡単にしてあげようね?」
「お、お願いしまぁすw(ビクビク)」
「どっかの馬鹿のせいで僕の疲れが倍になってしまったんだけどどう落とし前つけてくれるのかなねぇ?」
「ひぃぃぃっ・・・・!!!!!」
紫色の瞳がギラギラ光っていて、恐ろしいことこの上ない。
半泣き状態の二人に、半兵衛は小さくため息をついた。
「・・・まったく・・・心配したよ。」
「「ご・・・、ごめんなさい・・・。」」
ぽん、とと久作の頭に手をのせる。
「本当に・・無事でよかったよ。」
「これで一軒落着だな!」
二カッと笑った赤丸に、半兵衛も笑った。
再び真っ黒に。
「で?官兵衛。」
「は、はい!」
「早く。」
「はい?」
「はいじゃないだろう?羊羹、早く出しなよ。」
「煤E・はっ!!!!!」
サーッと官兵衛の顔から血の気が引いていった。
「どうしたんだい?羊羹もわからないのかい?羊羹もわからないような頭ならもういらないんじゃないのかな?」
「ひ、ひぃぃぃっ!!!!!!!(泣)」
官兵衛はこのあと、全員分の羊羹を自腹で買いに行かされた。
哀れ官兵衛。
有限実行って何だろう。(爆)