Last Oath















      は今、豪華な金色の襖の前で一人佇んでいる。

      




      『いいかい?入ったら大きな声で自己紹介するんだ。さっきも言ったけど失礼のないように。』

      『ほーい。』

      『・・・・・もう一度言うけど失礼のないように。』

      『ほーい。』

      『もう一度だけ言うけど・・・』

      『半兵衛しつこい。』

      『・・・・・・・・・。』
      






      「おっきい声で自己紹介する!!」







      散々言われた、“失礼のないように”をすっかり忘れているは、張り切って拳を握った。


     




      がしっと襖に手をかける。




      ガサァッ!!!!!!!






      !!!!でーーーーーーーーーーーーーっっ・・・・・うぶ??!!!!!!!」








      自分の出せる力全てをもって声を上げたのに、最後まで言う前に半兵衛に思い切り殴られてしまった。(しかも舌噛んだ)

      「・・・これ以上おっきい声でないよ!!!半兵衛どれだけ声おっきいんだよ!!!!!!!
      
      「僕は大きい声で自己紹介しろとは言ったけれども特別な音波を発するように言った覚えはないね。」

      「うわ・・・舌噛んだ。あーあ、舌噛んだー、半兵衛のせいでー。あーーーあ舌噛んだ。」

      「うるさい。


      半兵衛ははっとして後ろを振り返った。

      ぽかんとしている一同に、半兵衛は冷や汗を垂らす。


      「「「「「「・・・・・・・・・・・・・。」」」」」」

      「あーあ舌噛んだー!」

      「・・・・・・・すまない・・、我が豊臣軍にこんなものを引き入れてしまった・・・。」

      「舌痛いー。」

      「これは責任を持って僕がどうにかするよ・・・・。」

      「舌がー。」

      「でもこれには理由が・・・・」

      「舌がーーーー!」

      「黙れ。

      を黙らせながら、反応のない皆に目を向ける。

      「・・・秀吉・・・これは未来から来ていて・・・・・」

      「・・・秀吉・・・これは未来から来ていて(笑)」

      「・・・・・」

      自分の真似をして一人「ぷぷぷ」と笑うを一睨みして、半兵衛は話を進めた。

      「何か役に立つかと思ったんだ。でもそれに比例して負担もかかってしまうようなんだ・・・!」

      「わっけわかんね!」

      「勉強しろよ。それで秀吉、追い出すなら追い出「は出て行きませんぴょーん!うはははは」・・・・すけど・・・・・」

      話を遮って何故か意味もなく飛び跳ねている

      「ねえ、黙っててくれないかい。僕今秀吉に話してるんだけど。」

      「うん。超知らねぇよ。

      「・・・・・・怒るよ?」

      「嫌ぷー。」

      「・・・・・・・・・。」

      何だこいつものっそいウザい。

      半兵衛は嫌悪の気持ちを込めて睨むがやはりに効果はない。

      力で捻じ伏せることも出来るが、なんというか・・・・うん。触りたくない。

      いや別に生理的に衛生上受け付けないとかそういうのじゃないが、だってけたたましく泣き叫びそうだし。

      「・・・・・。」

      「半ちゃんはね♪ちゃんが好きなんだほんとはね♪」

      「僕は君の言うその半ちゃんであることを全力で否定するよ。

      「ちぇっ。」

      「・・・・と、とにかく、秀吉!は・・・」 

      「・・・半兵衛・・・、すまぬ・・・・」

      「え?」


      秀吉の謝罪の言葉が聞こえたと思った瞬間。


      「ぶっはっはっはっはっは!!!!傑作だぜ半兵衛どのー!!!!!!」

      「・・・・・は;;?・・な、何が・・・」

      意味のわかっていない半兵衛をよそに、黒田官兵衛以外の皆が声を上げて笑い出した。

      「・・くくっ・・・まさかお前がそんなのを連れてくるとは・・・・・・」

      「ふほほほほ・・・!!は、は、は、半兵衛ど・・・ふほほほほほほほほ・・・っ・・っ・・っ!!!!」

      赤丸は腹を抱えて笑っていて、あの滅多に笑わない三成ですら俯いて震えている。

      善左衛門なんかはもう声になっていないほど笑っているし、秀吉も楽しそうに大声を上げて笑っており、久作も苦笑いしていた。

      「いやーっつったか!?半兵衛どのが女連れてくるっつーもんだから、オレァもっと色っぽい姉ちゃんでも来るのかと思ってたが、まっさかこんな・・・!!」

      そういうと、再び赤丸は笑い出した。

      は半兵衛と目が合うと、しゅばっと力強く親指を立ててきたので、あからさまに不機嫌な顔で舌打ちしてやった。

      「あ!!キューちゃん!!!」

      だがは気にするようすもなく、久作を見つけると上機嫌で飛びついていった。

      「!秀吉に挨拶を・・・」

      そういいかけると、秀吉に肩を掴まれた。

      「よい半兵衛。と言ったな!」

      「うん。」

      「帰る場所がないならここに住むがいい!」

      「ありがとざいまー。」

      「・・・・・・・・」(orz)

      「我は豊臣秀吉。この豊臣軍の大将だ。」

      「ふぅんじゃあひでピーね。

      「ぶあっはっはっはひでぴー!!!!!!」

      「・・・くっ・・・・ひでぴー・・・・・!」

      「ひでぴー殿愛らしゅうて・・・・・!!!!!!!」

      























      バンッッ!!!!!!!!



























     
      皆が声を上げて笑っている中、料理の並べられた机に、大きな衝撃が走った。

      しん・・・と一気に部屋が静まり返る。

      手を突いている主は、黒田官兵衛だった。

      「正気ですか半兵衛殿・・・・・!?!?」

      「・・・君に正気かどうかなんて聞かれたくないな。」

      「わ、私は本気ですっ!!!!こんなどこの馬の骨ともつかないような少女を秀吉様に近づけるなど・・!!!」

      「馬の骨じゃないもんね。」

      「ひっ、秀吉様も秀吉様です!!今の世の中、いくらでも間者はいますし、ましてやこのような・・・・!!!!」

      「おいおい楽しくいこうぜ官兵衛ぇー!」

      「とっ、とにかく!!私は認めませんよ!!!」

      そういうと、官兵衛はドスドスと足音を立てて部屋を出て行ってしまった。

      「ちぇっ、相変わらず堅ぇやつだよなー。」

      「まったくだぜマルちゃん。」

      「ま、まるちゃん?」

      「赤丸だからマルちゃん。」

      「・・・・・・なんか織田軍のガキを思い出して嫌なんだけどよ・・・。」

      「気にすんなマルちゃん。」

      「お、おう・・・。」

      ぽん、とに肩を叩かれ、赤丸は渋々あだ名を了承した。

      「官兵衛のことは気にするな。あやつ根はいい奴なのだが、少々几帳面なところがあってな。」

      「ふーん。キューちゃん、キューちゃん。」

      「え?僕?;;なんだい?」

      まったく官兵衛のことなど気にも留めていない様子のは、秀吉の話を適当に受け流す。

      仲良く話していると久作を見て、秀吉は首を傾げた。

      「えらくは久作に懐いているな?」

      「似たような類なんだよ、多分ね。」

      「・・・・そうか。」

      「ところでさっきも言ったけど、は未来から来たようなんだ。」

      「未来から・・・。信じられぬがお前が言うならそうなのだろう。」

      「役に立つのは確実だと思ってね。未来の技術を取り入れるんだよ。」

      「だがは己の世界に帰りたいのでは・・・・・・・っ!?」

      「・・・!?;;;」

      半兵衛の視線の先には、秀吉にのしかかるようにしているの姿。

      「・・・なにをしているのだ・・・・・・。」

      「オットセイごっこ。

      「!!早く降りるんだ!;;」

      「だってキューちゃんがオットセイ知らないっていうから・・・。」

      「ひ、秀吉様申し訳ございません!!!ほ、ほら!!お、おっとせい?ごっこなら・・・ぼ、僕の背中でしていいから!!!

      「「久作・・・・。」」

      「がのしかかったらキューちゃん潰れるんだよ。」

      「決定事項!?

      「べチャって潰れるよ。キューちゃんなんて一溜まりもないねうへへへへ。」

      「我が弟ながらに哀れな言われようだね・・・・・。」

      「、久作はこれでも豊臣の武将で一、二を争う勇将なんだぞ。」

      「優勝?」

      「勇将。」

      「ふーん。」

      「聞いてないね。」

      「そんなことないもんね。聞いてるようで聞いてないんだもんね。」

      「「「聞いてないんじゃん。」」」

      思わずシンクロして三人が突っ込む。

      それを聞いていた三成と赤丸と善左衛門が、さらに腹を抱えて笑う。

      「腹が千切れるッ・・・・!!」

      「うっはっはっはっは!!おいおいおい千切れるじゃなくて捩れるだよアホだな三成ィ!!!!」

      「ふほほほほっ・・・っ・・・っ・・・・!!!!!!!」

      「・・・あの笑ってる髪黒い方名前なんだっけ?」

      「二人髪黒いよ。一人白いけど。」

      「長い方。」

      「石田三成。」

      「じゃあ・・・・みっち!!!!」

      その声に、明るかった部屋が一瞬にして凍りついた。






      皆の頭に過ぎったのは。






      「(゜A゜)」

      「うわみっち何その顔。」

      「ゴホッゴホッ・・!!!!!!」

      「あ、兄上ええええ!!!!」

      「や、やめろ!!あいつを思い出す・・!!織田の・・・あ、あ、あ、け、うわああああ!!!」

      「いいじゃん。みっち。」

      「絶対に語尾をのばすんじゃねぇぞ!?!?!?」

      「ほいさ。」

      「うおー寒気がしたぜ・・・・・」

      あの銀髪変態悪魔

      思い出したくないあの言動のキモさ!

      「ちょっと待ってー。あだ名書いとかないと忘れる。」

      「忘れんのかよ。」

      「むしろ忘れていいよ。」

      「えっとー、半兵衛とキューちゃんとマルちゃんとみっちとじいちゃんと官ちゃん!!あぁ!とひでピー!!

      「我・・・・忘れられてた・・・?」

      「ち、違うよ秀吉!!これはなりの・・・・サプライズさ!!

      「本当か・・・・?」

      「も初めて知った。」
 
      「・・・・(ガクッ)」

      「秀吉――――!!!!!;;;」

      「(゜A゜)」

      「み、三成殿もしっかり!!;;」
            
      「っ・・・っ・・・・っ・・・・・・!!!」

      「善左衛門のじいさん笑いすぎだぜ!!って・・・・・い、息してねぇぞー!!!!;;;」



      
      こうして、夜明けまで大騒ぎで終わった宴(?)は、が眠るまで終わらなかった・・・。


























































































































      官兵衛、ごめん。
      みっちっていうあだ名が打ち間違えで始まった偶然(諦め)の産物だなんて口が裂けても言えない。