Last Oath
やかましい蝉の声を背に聞きながら、は額の汗を拭った。
「・・・・も、も、もーーーー・・・・・。」
叫びたかったけど、暑くてそんな元気はなかった。
夜だというのにちっとも涼しくない。
昨日はまだ夜になると涼しかったのに。
・・・・しかも暇だし。
光秀は、なんだかいそいそと準備していた。
光秀だけじゃなくて城にいた色んな人が。
なんか『戦です。』とか言ってたけど。
着いていくと言ったら無視された。ムカつく。変態め。
連れてきておいてなんで放置するなんて、どういうことだ。
用がないならもう帰らせればいいのに。
キューちゃんにも会いたいし。
・・・半兵衛にも、なんとなく少しちょっとだけ会いたいと思ってやってもいいような気もしないでもないような感じのような気もするし。
「・・・・あーついしー、なんか面白くないしー。トトロ探しにいこっかなー。ついでに光秀たちについて行っちゃおうかなー。」
ここらへんにいそうだ。トトロ。
お弁当持って明日にでも探しに行こうか。
「ぅよっしゃぃああ!」
楽しそうなことをみつけたは、飛び起きると即明日の支度に移った。
「準備完了出発進行明日に進行―」
以下、の持ち物
・お弁当(好物のみ)
・お菓子
・財布(使えない)
・麦藁帽子(雰囲気出すため)
・ファ●リーズ(意味無し)
・ムヒ(虫除けスプレー常備)
・サバイバルナイフ(護身用)
・敷物(ピクニック気分)
・水筒(中身ジュース)
「早起きしなきゃなー♪忘れ物ないかなー♪」
・・・と言ってもいつでも取り出せるのだが。
「光秀の部下にたのもー。」
ドンドンと戸を叩くと、「はい」と言って秀満が出てきた。
「よ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
秀満はを見た瞬間、明らかに「こいつかよ」みたいな目で見てきた。さすがあいつの部下。ムカつく。
「んねーっ。」
「なんですか。」
「んねーってば。」
「だからなんですか。なんなんですかあなた。」
「ねぇ、戦とやらにもつれてってバーカ。」
「・・・・・・誰が連れて行きますかあなたなんか。」
バーーカと秀満も返してくる。大人げのないやつ。
「部下のくせに。」
「捕虜のくせに。」
「ひょほ?」
「ほりょ。全然違う。」
「・・・なんか官ちゃんに似てる。」
「誰ですか。」
「べっつにー。いいもんねー。戦に行ってる間に半兵衛のところに帰るんだもんね。」
「どうぞお帰りくださ「何を勝手に決めているのですか?秀満。」
秀満は怒りを含んだその声に、顔を青ざめさせた。
「げっ・・・光秀様・・・・!!!!」
「げ?」
「毛?」
「違う。」
突っ込まれたは、ベー、と舌を突き出して「うるさいバーカ」と秀満に反抗した。
「で?秀満。何がどうぞお帰りくださいなんですか?」
「・・・え、いや、その、ん?」
ん?じゃねぇよ
光秀はあからさまに不機嫌な顔になって秀満を睨んだ。
「だからね光秀様、ね、だから、ね?」
「あぁ・・・・、私に殺して欲しいということですね?」
「オホッ!?いやそんな・・・・・。」
秀満は助けを求めるようにに視線を送った。
「こっち見んなぶさいく。」
「・・・・・・・」
二人から集中攻撃された秀満は、最終的に黙り込んでしまった。
「・・・もここから出れるとは思わないように。まぁ思ったとしても出れませんがね。」
「半兵衛が助けに来てくれるもん。」
「どうですかね。」
「もういい。光秀もそこの下っ端もすかん。」
「そこの下っ端・・・・・orz」
「私はが好きですよ?」
「嬉しくない。」
「じゃあ誰に言われたら、嬉しいんですか?」
「・・・・・・・・・・・・。」
「そのあなたの言う“半兵衛”ですか?」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・改めて聞きますが・・・、どういう関係なのですか?」
「・・・半兵衛と?」
「ええ。」
「・・・・・・・」
は暫く視線を泳がせたあと、悪戯っぽく笑った。
「知りたい?」
「・・・・・・・・・・・。」
上目遣いになりながら子悪魔のように愛らしく笑うに、光秀は顔を顰めた。
「あのねー、半兵衛とはねー、実は・・・・・・・」
「・・・・・・・実は?」
光秀はじれったそうに首を傾げる。
「ともだちでーす。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
の答えに明らかに不服そうな光秀。
「友人?」
「そー、唯一無二のマブダチだ。」
「まさか。竹中半兵衛の親友はあの秀吉公でしょう。」
「マブダチと親友はちがうんだよ。」
「違いませんよ。」
「とキューちゃんは親友だけどね!」
「・・・・本当に友人と思っているのですか?」
「もち。」
「恋仲ではないのですか?」
「ド田舎?」
「恋仲。」
「こいなか?」
「恋愛関係、ということです。」
「れんあいかんけー・・・・。光秀がいうとなんか気持ち悪いね。」
「うるさいですね。」
「違うよ、好きな人いるから。」
「おや。意外ですね。私ですかね?」
「もっとおもしろくてもっと優しくて世界で一番かっこいい人だよ。」
「・・・・・・・・・名は?」
「知りたい?」
「とても。」
「教えなーいw」
「そう言わずに教えてくださいよ。」
「いやなのねん。教えないのねん。」
「・・・・・・・・。」
光秀は頬を膨らませてみたが、「キモイ」と一蹴されてしまった。可愛くない娘だ。
「そんなに戦に行きたいのですか?」
「行きたいのねん。」
「何故?」
「暇なのねん。おもしろくないのねん。」
「戦というものがどんなものなのかわかってませんね?というかその喋り方やめてください。」
「なんで?」
「・・・・何に対してのなんで?ですか。」
「ん?」
「・・・・話が噛み合いませんね。」
「ばか光秀。」
「ばか。」
「まねすんなー。」
アホ娘。
を見てるとそんな言葉が浮かんでくる。
救いようがないのではないかこのアホ娘。(酷)
「もうよーいできたもん。」
「そうですか。それでどちらへ?」
「トトロを探すたびへー」
「そうですか。駄目です。」
「・・・止めないでくれ、僕と君の運命は決して交じり合えるものではなかったのさハニー。」
そういいながらちゃっかり部屋を出て行こうとするを、光秀はしっかりと捕まえた。
「よい子は寝なさい。」
「悪い子だもんねー!!!」
「そうですね。」
「放してよっ」
「嫌です。」
「放せばかちん!!無礼者!」
「一応私この軍の総大将ですから、他から見ればあなたが無礼者ですよ。」
「・・・・・・・・だから出て行くっていってんの。」
「私はそれを望まない。」
「・・・・・・・・・・なんでよ・・・・・・・。」
「・・・・・あなたがいると退屈しないからですよ。」
「はここにいたくない・・・」
「・・・・・貴女に拒否権があるとでも?」
「・・・・・・・・」
は光秀の言葉には答えなかった。
諦めたのかどうかはわからないが、抵抗をやめその場に蹲ってしまった。
「・・・・・・・・。」
「秀満、出て行きなさい。」
「え、あ、はぁ・・・・。」
秀満は渋々振り向きながらその部屋をあとにした。
残された二人はというと、が黙り込んだせいで未だ沈黙が流れている。
「。」
「・・・・・・・・・。」
「。」
「・・・・・・・・。」
「。」
「・・・・・・・・・。」
光秀は少々苛々していた。
狂ったようにの名を呼んで、の反応を待つ。
「!?」
は冷たい感触が首に触れたことに、びくりと振るえ顔を上げた。
小刀が、首筋に突きつけられていた。
「おや、泣き叫ぶと思っていましたが・・・・・。」
「・・・・何すんの・・・・。」
「・・・・貴女の血が見たくなった。」
「・・・・殺すの。」
「殺したい。けれど・・・・、殺したくありません。」
「・・・・・・・・・・。」
は、黙ってその刀を見詰めた。
「怖くないのですか?貴女の泣き叫ぶ様が見たかったのに。」
「・・・・・・・怖くない。」
「この時代の女子供なら泣くでしょうが・・・、貴女は違う。貴女には隠れた闇がある。」
「意味・・・・わかんない。」
「死ぬのが怖くない、なんて普段の貴女からは考えられませんよ。」
「・・・だって怖くないもん。みんなどうせ死んじゃうんだから。」
「・・・・・・・。」
そう言ったの声が酷く悲しげで、その理由がわからない光秀は小刀をの首に押し付けた。
赤い線が走り、そこから一筋血の涙が流れる。
「・・・・・痛いですか。」
「痛いよ。」
「竹中半兵衛は怒るでしょうか。」
「・・・・・・・・・、・・・・は・・・」
「・・・?」
「は・・・、半兵衛のこと、友達だって、思ってる。」
「・・・・・・・」
「・・・、でも、半兵衛は・・・・・・」
は涙が出そうになって、口を噤んだ。
「・・・・半兵衛は・・・・、のこと、きらってる。」
の頬に、涙が一筋伝った。
「・・・・がね、未来のもの取り出せるから・・・・、置いてくれてたの。」
「・・・・・。」
「でも・・・・・、もうはいらないんだよ・・・・、多分、喜んでるよ、助けになんかこない・・・・」
「・・・・・・・。」
「・・・・帰りたい・・・・っ、」
「・・・・・・・」
「ふーちゃんのとこに帰りたいっ・・!!!ふーちゃんに会いたい・・・・!!!!」
「・・・」
「・・・家出なんか、しなかったらよかった・・・!そしたら・・・ふーちゃんずっといてくれたのにっ!!のせいでっ・・・・!!!!」
「・・・・・・・・」
「・・・も死にたい・・・!!!!」
「・・・・・っ」
「!!!!!!!!」
肩に鈍い痛みが走って、は後ろを振り向いた。
小刀が深々と突き刺さっていた。
「・・・・痛いでしょう。」
「・・・・い・・・た・・・・・」
「死とは、こういうことですよ、。」
「・・・・風・・・・・、」
「私の名を呼びなさい。」
「・・・・・・・・・っ・・・・・・・」
「・・・・・・、」
「・・・っ・・・!!!!!」
小刀を引き抜かれ、はその激痛に顔を歪めた。
血が、白いワンピースを真っ赤に染め上げる。
「貴女は・・・、強いですね、。普通なら叫び声の一つでもあげるのですが・・・」
「・・・・・・・・、死ぬの・・・・?」
「さぁ?どうでしょう。」
「・・・・・・・・・」
「私が憎いですか?」
「・・・・・憎くないよ」
「・・・・・・・・・」
は意識が遠ざかるのを感じながら、静かに涙を流した。
刺しちゃったよほほほほほ!(黙れ)
いい加減ギャグとシリアスの入り混じった小説の内容どうにかしたいです。どうにもならないけどね。(ぉ
第一章は出会い編で、この第二章は明智編ということなのですが、いつかヒロインと風についての章を書くつもりです。